ここしばらくは、いくつかの企業に訪問し、経営戦略の策定サポートに関する情報提供をしてきました。我々コンサルタントに企業が相談に来るパターンとして、機能別戦略のうちの一つ、もしくは複数に問題がある時です。つまりは、企業に「明確に見える問題」が生じたとき。

例えば「IT導入したい」とか、「資金繰りに困っている」とか、「人材採用したいけど採用できない」とか、まあそういうことであれば、相談は入ってきやすいです。逆に「経営戦略を立てたい」という相談はなかなか来ない。

実際に各種機能別戦略に問題がある時、それよりも土台に近い部分になる経営戦略がよろしくない・・・というケースが結構あります。まあ、経営戦略って、よほど分析している経営者でない限り、そこまで深く考えない部分ですし。

「人材採用したいけど人が来ない」という問題は、実は採用の部分を何度かすればいいというケースは稀で、その下部にある経営戦略の方をなんとかしないとどうしようもない・・・なんてケースの方が多いです。

IT導入も同じで、「システムAを入れたい」なんて話が来た時も、そこの企業の経営戦略をじっくり見ていくと、「あなたの会社はシステムAを入れたいという話がありましたが、実際はシステムBを入れた方がいいんじゃないですか？」という話はよくあります。

「売上を伸ばしたい」という相談も同じパターンで、マーケティングを何とかするより、まずは経営戦略をしっかり策定する方が先というのもよくあります。このため、企業を中長期的に良くしていくのであれば、経営戦略がどうなっているかを考えることは非常に重要です。

とりわけ、売上を大きく伸ばす。これはその企業の成長が求められますが、そもそも「あなたの企業は成長できるだけの、それに耐えうるだけの体幹は出来上がってますか？」という話になります。

実は企業が成長するとき、必ずあることが起こっています。それがイノベーション。ただ、たまたまイノベーションが起こっているケースと、狙ってイノベーションを起こしているケースというのが考えられます。

特に狙ってイノベーションを起こす場合、企業の土台をしっかり整えておくことが非常に重要になります。